2007年10月28日日曜日

体の中の柔らかい所

ドイツのハーメルンはとても良い所だった。
ハーメルンの笛吹きの話しは日本で知っていたけれど、
まさか実際に行くとは思っていなかった。

ハーメルンにはドイツ人の友達、アレックスが住んでいて、
彼の友達にも会って、カフェでパンケーキを食べたり、
一緒に飲んだり、料理をしたり、モノポリーゲームをやったり、
異様にまずいドイツ料理を食べたり、小さな城に行ったりした。
その都度、一生懸命に説明をしてくれるアレックスはとても優しかった。
そして、何も言わずに町の昔話の本を勝手に買ってくれた。
全く欲しくなかっただけに、逆に嬉しかった。
彼はもうIT関係の会社に勤めて、その小さな町で自立した生活を送っている。
ヨーロッパのアパートは基本的に広い。
日本だったら、4人家族が住めるくらいの広さの所を一人で住み、
家具もキッチン用具も、どれも使い易くてセンスが良かった。
黒、グレー、茶色ネコが三匹いて、歩くと後ろを付いてくる人懐っこいネコだった。

ゆっくりした時間を過ごしていたけれども、時間は経ち、
最後の夜は、来月からワーホリで日本に行くというアレキシーも加わって、
アレックスの家でDVDを見た。
ドイツのホラー映画を見終わって、なんだか良い気分がしなかったから、
もっと明るい映画を見ようといい、アレキシーが棚からアメリを取り出すと、
それはまだカバーも開けられていないDVDだった。
これみようよ、とアレキシーが言うと、それは駄目だとアレックスは言う。
初恋の思い出の映画らしく、そっとしておきたいらしい。
come on!とアレキシーが言って、あとはドイツ語でなにかしゃべった。
すると、突然アレックスが真顔になり、DVDでアレキシーの足をたたいた。
全然いたくないよー、とアレキシーもまた余計なことを言うと、今度は大分強く
すねをたたいた。アレキシーはやり返さなかったから喧嘩にはならなかったけれど、
気まずい空気が流れ、しばし沈黙。
するとアレックスは、初恋の話、一緒にピザを食べてそれがすごくまずかったこと、
一緒に20時間眠ったこととかを、笑いながら話した。
でも、その笑顔はすぐに消え、憂鬱な顔になり、ネコを抱いて黙ってしまった。
アレキシーは車で帰って行った。


なんでアレックスが実家に帰らないのか、なぜ初恋の思い出にそこまで執着するのか。
髪を黒とブロンドにし、全身黒の服を着ているのは、それと無関係では無いだろう。
それは彼を守るなにかなのかもしれない。
そして、ネコを溺愛し、友達に愛情を注ぐ彼自身が一番求めているのは、人からの愛なんだと思う。
壁に飾ってある、高校卒業の時に親友と取った写真の中で笑うアレックスを見て、
なんだか切なくなった。その親友はもうシングルマザー。

僕たちはホントに家族みたいだから、いつか一緒に住もうって言ってるんだ。
僕は育ての父親になるんだよ、ホントに家族みたいなんだよ。

彼は自分の居場所を探している。
帰りの電車に乗るとき、アレックスは涙目でまた来てね、と言った。

良い旅でした。






写真アップしたいのですが、
昨日クラブで酔っぱらい、友達の車に携帯とカメラをおいてきたので、
また今度。
謎に金持ちのインド人の女の子。なぜかベンツ所有。
ジントニック1杯1200円。高!!
ciao

4 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

いい話ね。

こちらは明日から屋久島・鹿児島旅行へ行ってきます。
この年にして初めての一人旅だから(受験では色々行ってるけど)、何か起こる気がしてならないわ。
レンタカー、若葉マーク10枚くらい貼ろうと思います。

では。

tetsuya さんのコメント...

なつき
やっぱり、体育倉庫呼び出しの可能性は
大分高いと思う、うん。
踏切はとまる必要ないよ、うん。
have a good trip!!!!! うん。
そう言えば、最近環境問題についてどう思ってる?

JoyToy さんのコメント...

しんみりしちゃったよ。愛されたいよね。

tetsuya さんのコメント...

愛なんて言葉、でかいけど、
人ってそれが欲しくておかしな行動取ったり、
努力できたりするんだなぁと思うこの頃です。
お互いグッドラック